情報商材屋の現実:ゴールドラッシュ時代の現代版搾取構造

情報商材

現代のインターネット社会はまるでデジタル版のゴールドラッシュの様相を呈しています。しかし、その光景をよく観察すると金塊を掘り当てた人々よりもシャベルやスコップを売った業者のほうが利益を上げているという構図が見えてきます。今回は特に情報商材業界を取り巻く現状に焦点を当てその構造と問題点について掘り下げます。


ゴールドラッシュと情報商材業界の類似性

19世紀に起きたゴールドラッシュでは、多くの人が金鉱を掘り当てる夢を追いかけて山に入りました。しかし、その夢を実現できたのは一握りの人だけ。多くの人は失望と損失を抱えて山を後にしました。その一方でシャベルやスコップ、さらにはジーンズを売る業者は大いに潤ったのです。

情報商材業界でも同様の構造が見られます。情報商材を購入して「成功」しようとする人々は金鉱掘りのような存在、一方で商材を売る側やそれを支える「プラットフォーム」さらには「コンサルティング」を行う側はシャベルやスコップを売る業者のような存在です。成功者として見せかけ夢を売りつけることで利益を得る彼らは本当に掘り当てられるかどうかは気にしていないのです。


「弱者」をターゲットにする情報商材屋たち

情報商材屋がターゲットとするのは、社会的に不安定な立場にある人々です。
例えば、以下のような属性を持つ人々を狙っています:

  • うつ病、留年、就活失敗、借金、無職といった「弱者アピール」をする層
  • 自己啓発や「人生逆転」を夢見る人々

これらの属性を持つ人々は、「自分を変えたい」「少しでも希望を掴みたい」という思いが強く、詐欺的なセールストークに引っかかりやすい傾向があります。そして情報商材屋はあたかも自分たちが同じ苦難を乗り越えた成功者であるかのように振る舞い「自分もできたのだからあなたもできる」というストーリーを押し付けます。


「成功者アピール」の裏にある現実

情報商材屋がよく使う手法の一つに「成功者アピール」があります。
これには以下のようなパターンがあります:

  • 「億稼いだ」「海外移住した」「FIREを達成した」といった虚飾を交えた自慢
  • 高級車や高級時計、海外旅行の写真をSNSに投稿
  • 総フォロワー数万や年商数億といった数字を掲げる

一見すると魅力的な成功者像ですが、その実態は非常に薄っぺらいものが多いです。
たとえば、総フォロワー数万と謳っているにもかかわらず、Twitter(現在のX)アカウントのフォロワー数が数百に過ぎなかったりYouTube動画の再生回数が3桁であったりすることも珍しくありません。

こうした矛盾を見抜けない人々が騙され、結果として情報商材を購入してしまうのです。


情報商材屋を支えるプラットフォームとコンサルの実態

もう一つ注目すべき点は情報商材屋そのものよりもそれを支えるプラットフォームや「コンサル」の存在です。
彼らは商材販売者に対して「売れる方法」を教えるという形で、さらに利益を搾取します。以下がその具体例です:

  1. Twitter(X)運用支援
    • 情報商材屋に向けて「バズるツイート術」を教えるセミナーや個別指導
    • 実際にはテンプレートのような手法で、内容が薄い
  2. LINE友達収集代行
    • 「LINEの友達1万人収集」などのサービスを提供し、見かけ上の影響力を作る
  3. noteやPDF販売の仕組み作り
    • 商材販売のノウハウをまとめるnoteを作成し、それを再販することで稼ぐスキームを構築

こうした仕組みの中で、最終的に損をするのは情報商材を買う消費者です。プラットフォームやコンサルが儲かる一方で購入者には何の実利ももたらされません。


搾取構造の根本的な問題

情報商材業界の最大の問題はその「搾取構造」にあります。購入者は希望を抱いて商品を手にしますが、その多くが高額で実用性に乏しいものです。例えば「月収100万円稼ぐ方法」や「SNSでバズる秘訣」などと銘打った商材が、実際には無料で得られる情報をまとめただけの内容だったりします。
実際自己啓発本の劣化コピーしただけなんてこともあります

さらに、購入者が「稼げない」状態に陥っても、販売者側は「努力が足りない」「続ければ結果が出る」といった言葉で責任を回避します。このようにして商材を買った人々は負債を抱え、再び別の商材に手を伸ばすという負の連鎖に陥るのです。


まとめ:現実を見る目を養おう

情報商材業界は一部の人間が富を得るために多くの人々を搾取する仕組みで成り立っています。これに気づかず「成功者アピール」に惑わされる人が後を絶ちません。

SNSでの情報発信が容易になった現代だからこそ、私たちは情報の真偽を見極める目を養う必要があります。魅力的なストーリーに飛びつく前にその裏に隠された構造を冷静に分析し搾取されないよう自己防衛をすることが重要です。

金鉱を掘りに行く前にシャベルを売っている人の意図を考えてみましょう。
それがこのゴールドラッシュ時代の現代を生き抜くための第一歩です。

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